博報堂の中途採用面接について、私の知人の体験を見ながら、詳細に解説していきます。
博報堂の選考フローは書類選考、一次面接(WEB適正検査含む)、そして最終面接の3つのステップに分かれています。博報堂のクリエイティブな環境で活躍できるチャンスをものにしてください。
博報堂について
博報堂の事業内容
博報堂は、日本の代表的な広告代理店で、1895年設立からの長い歴史を持ちます。メディア・コミュニケーション領域での課題解決に強みを持ち、多岐にわたる広告関連サービスを提供しています。
例えば、住友生命保険の「1up」CMは博報堂のプラニングによるものです。博報堂は博報堂DYホールディングスの完全子会社であり、博報堂DYメディアパートナーズ、大広、読売広告社などの子会社を有しています。
組織と立ち位置
博報堂DYホールディングスは東証プライム市場に上場している純粋持株会社で、実際の広告代理店ビジネスは博報堂と博報堂DYメディアパートナーズが行っています。博報堂は国内で2位、世界でもトップクラスの広告代理店として知られ、多くの有名クリエイターを輩出しています。
事業内容
博報堂の事業は、広告代理店業界における様々なサービスを包括しています。
これには、クライアントの広告活動支援、マーケティング戦略策定、メディアバイイング、リアルイベント、ウェブマーケティングなどが含まれます。博報堂は、総合広告代理店として様々なメディアに広告を展開し、クライアントに幅広いサービスを提供しています。
具体的な事業分野
一口に広告業といっても、博報堂の事業領域は多岐に渡っています。デジタルマーケ/Webマーケに特化した代理店が世に増えている中、博報堂はそれらも高いレベルで提供することに加え、顧客の事業戦略や商品企画など、上流から介在していることが特徴です。
強みと差別化
博報堂の強みは、クリエイティブ分野での卓越性と、データに基づく広告戦略の提案能力にあります。日本の広告業界で電通に次ぐ大きさを誇る2位の地位を確立しており、グローバルでも有名な広告代理店です。
個人の活躍を重視する文化を持ち、多くの著名なクリエイターを輩出しています。そのため、個人を支援する制度も充実しており、内部に設置されたHAKUHODO UNIV.などの教育プログラムを通じて、優れた人材の育成にも力を入れています。
まとめ
博報堂は、その長い歴史と幅広いサービスラインナップ、クリエイティブとデータドリブンのアプローチを融合させた事業展開で、日本だけでなく世界的にも広告業界のリーダーとして知られています。
個々のクライアントのニーズに合わせた多角的なサービス提供能力は、同社が長年にわたり培ってきた強みの一つです。
博報堂 転職の口コミ
外から見るイメージ
残業がしたいから電通から博報堂に転職した人とかまあまあ聞くんだが、広告入る人って休みとかいらないからとにかく仕事に時間を割きまくりたいって人が多い気がしてるぜ。
広告業に興味なんて持ったことないけど、あのキラキラしてそうな世界に深層心理では憧れているのかしらね。
LINEとか博報堂とかDeNAとかweb・広告系のデータサイエンティスト枠、1年くらい前まではそこそこあったはずなのに、今調べてみたらかなり少なくなっている。やはり転職するのは去年までだったか。
私なら博報堂ですね。みずほのGMから外銀GMに転職して、生え抜き來未に勝つイメージが沸かないので…。
きらびやかな世界と見える一方で、やはりハードワークである印象は強いようです。とはいえ外資系コンサルや外銀ほどではないようですが。働き方について話を聞く限りでは、もちろん部門によるという前提で大きく改善されたと伺っています。業務内容次第ではリモートワークも十分にできるとのことです。
また、博報堂のように部門が分かれていてそれぞれで求められる専門性が異なる場合、ポジションが埋まったら募集が閉じるということは多いです。希望する職種が採用ページなどにない場合でも、エージェントが非公開求人を扱っていたり、時期が経てば募集が始まっていたりすることも多々あります。
勤務していた人の口コミ
基礎力を得たら、好奇心に沿って連続的越境を繰り返すのが成長につながる。前職の博報堂の様に複数の専門性を回遊して成長できる会社は有難い。基礎力を基に業界を移動することも、越境であり、成長につながる。
広告界の大手、博報堂。毎日がクリエイティブだけど、締め切りもクリエイティブに迫ってくるよ
博報堂は、部門ごとに異なる高い専門性を有しているため、複数の部門を経験することでマーケターとしての総合力を高めることができます。また、上述の通り顧客の事業戦略や商品企画にまで介在するケースもあることから、コンサルで培われるような戦略思考、論理思考なども身に付きます。ビジネス系職種でキャリアアップを志向するにはうってつけの環境と言えるでしょう。
中途採用フロー
博報堂の中途採用面接プロセスは、下記です
まず、書類選考では履歴書と職務経歴書をもとに、募集ポジションの採用責任者が応募者の経験を評価します。この段階で、応募者のスキルや経歴が募集要件に合致しているかが判断されます。
次に、一次面接では、オンライン形式で募集ポジションのリーダークラスと人事担当者との面談が行われます。同時に、WEB適正検査も実施されます。この面接は比較的リラックスした雰囲気で進行し、応募者の人柄やこれまでの経験、チームでの役割に焦点が当てられます。特に、チームワークを重視する博報堂では、チームでどのような役割を担えるかが重要視されます。
最終面接は通常対面で行われ、採用ポジションの部門責任者と人事担当の管理職が参加します。ここでは、応募者が博報堂の文化に適合しているか、そして長期的な視点で企業に貢献できるかが評価されます。この段階では、応募者の将来のビジョンや目標について、またその達成のための具体的な計画まで聞かれます。
なお、必要に応じて、二次面接やスキルチェックテスト、カジュアル面談などが追加で実施されることもあります。これらはマッチングの精度を高めるために行われ、応募者の能力や適性をより深く理解するために行われます。
面接での質問内容
①応募のきっかけなど、広告業界で働く同期の強さを問う質問
- 広告業界に興味を持ったきっかけは何ですか?
- 当社の広告キャンペーンで気に入っているものはありますか?理由も含めて教えてください。
- あなたが考える「良い広告」とは何だと思いますか?
- あなたにとって「イノベーション」とは何ですか?
- あなたの専門分野における最新のトレンドは何ですか?
- 当社で実現したいキャリアの目標は何ですか?
②困難に立ち向かう姿勢や、問題解決能力を問う質問
- これまでのキャリアで最も成功したと思うプロジェクトは何ですか?
- 失敗経験から何を学びましたか?
- クライアントとの難しい交渉経験を教えてください。
- リーダーシップを発揮した経験について教えてください。
- あなたが携わるプロジェクトが困難に直面した場合、どのように対処しますか?
- ストレスが多い状況でどのように対処しますか?
- クライアントのニーズをどのように理解し、満たしますか?
③チームで働く姿勢を問う質問
- チームで働く上で一番重要だと思うことは何ですか?
④求められるスキル、専門性の高さを問う質問
- どのようにしてクリエイティブなアイデアを思いつきますか?
- 締め切りに間に合わせるための時間管理のコツは何ですか?
- デジタルマーケティングに関する経験を教えてください。
- 競合他社との違いをどのように打ち出しますか?
面接官によって質問内容は異なるものの、大きくは上記に分類されます。
①は当然のように回答したいですが、浅はかなものになってはいけないです。面接官は博報堂の従業員なので、当然広告のプロです。プロから見て、十分動機があると思ってもらう必要がありますので、博報堂の行ったプロジェクトに対して自分なりに解釈し、なぜそれを素晴らしいと思ったか、なぜそれができるようになりたいか、そのためになぜ博報堂でないといけないかを、自分の言葉で話せるように準備してください。
②は他社でも聞かれることが多い内容です。困難を乗り越えて成果を出したエピソードを最低2つは用意しましょう。ポイントは、成果の度合いや困難の度合いを盛れるだけ盛りましょう。これらの大小で評価されるわけではありませんが、あなたについて印象つけることができます。そのうえで、思考力・対人交渉力・クリエイティブなアイデアなどが見極められていますので、それらをアピールできるようなシナリオで話してください。
③博報堂のプロジェクトは、複数の部門にまたがるチームを組成して顧客の課題解決を行います。当然チームワークが必要となりますので、チームで成果を出した経験の有無や、チームで働くに際してネガティブな点がないかを見極めてきます。
④こちらは応募のポジションによって異なりますので、応募ポジション・面接官情報を踏まえた回答を用意することが重要です。
面接内容
以下は私の知人の体験談となります。面接にあたり、参考にしてください。
応募者プロフィール
E.Yさん
年齢:29歳
学歴:上智大学理工学部卒
職歴:ソフトバンク勤務
職種:デジタルマーケティング
家族:夫婦、長男(幼稚園)
年収:800万円
面接再現
本日はお越しいただき、ありがとうございます。早速ですが、まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?
はい。29歳で上智大学理工学部卒業後、ソフトバンクにてデジタルマーケティングに従事してきました。家族は妻と幼稚園に通う息子がいます。私は仕事とプライベートのバランスを大事にし、自分の価値観に合った生活を心掛けています。プライベートで興味のあるキャンプやSDGsに関する情報収集や広告を見る中で御社の存在感を強く感じております。今日はよろしくお願いします。
面接官:ありがとうございます。それではまず、広告業界に興味を持ったきっかけは何ですか?
大学時代にマーケティングの講義を受けたことがきっかけです。特に消費者行動の心理学的側面やブランド構築の戦略に興味を持ち、その後ソフトバンクでのデジタルマーケティングの仕事を通じて、広告の持つ影響力とクリエイティブな可能性に魅了されました。
なるほど、学生時代からの関心が今に繋がっているんですね。では、これまでのキャリアで最も成功したと思うプロジェクトは何ですか?
ソフトバンクで担当したスマートフォンのリリースキャンペーンです。市場調査を徹底的に行い、ターゲット層の嗜好を把握しました。そのデータに基づいてパーソナライズされた広告戦略を展開したところ、製品の知名度と販売数で目標を大幅に上回ることができました。
素晴らしい体験ですね。プロジェクトの中で、失敗や困難なことはありましたか?またその経験から学んだこともあれば教えてください。
はい、あります。あるキャンペーンでターゲット層を狭く設定しすぎたため、期待した反響が得られなかったことがありました。この失敗から、クリエイティブにおいてはターゲットを絞りペルソナを想定した設計が重要なものの、プロモーションにおいては市場を広く見渡し、多角的なアプローチが重要であり、時にはマス向けに発信することの必要性もあると学びました。
そのような経験も、成長の一歩ですね。プロジェクトは1人ではなかったと思います。チームで働く上で最も重要だと思うことは何ですか?
チームの多様性を尊重し、各メンバーの意見を大切にすることです。例えば、あるプロジェクトで若手メンバーの意見が新しい視点を提供し、その結果大きな成功を収めたことがあります。異なる視点が集まることで、より創造的なアイデアが生まれると信じています。
確かに、多様性はチームの強みになりますね。今のはメンバーのアイデアでしたが、あなたがクリエイティブなアイデアを思いつく方法は何ですか?
日常生活や趣味からインスピレーションを受けることが多いですね。たとえば、キャンプでの自然体験からエコロジーに関するアイデアを得たり、SDGsへの関心から社会貢献に繋がるプロモーション案を思いついたことがあります。
趣味と仕事の融合、面白いですね。クライアントとの難しい交渉経験について教えてください。
あるプロジェクトで、予算の制約が大きな課題でした。クライアントに対して、限られた予算内で最大限の効果を出すためにはどうすればよいか、データと事例を基に提案しました。最終的にはクライアントの理解を得て、効果的なキャンペーンを実施することができました。
大変だったでしょうが、良い結果に結びつけたんですね。締め切りに間に合わせるための時間管理のコツはありますか?
はい、タスクの優先順位をつけ、それに基づいて計画的に進めることが大切です。また、予期せぬトラブルに対応するために、常にスケジュールに余裕を持たせるようにしています。
計画性は重要ですね、ありがとうございます。
「良い広告」とは、あなたにとってどのようなものですか?
ターゲットに共感を呼び、記憶に残る広告が良い広告だと考えます。例えば、博報堂の「1up」CMのように、強いメッセージと視覚的表現が組み合わさった広告は、人々の心に深く響きます。
確かに、「1up」CMは印象的でしたね。最後に、当社で実現したいキャリアの目標は何ですか?
博報堂のクリエイティブな環境で、社会的影響を与えるキャンペーンを手掛けたいです。また、デジタルマーケティングの分野で私の経験を活かし、新しい価値を創造することにも挑戦したいと考えています。
素晴らしい抱負だと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。面接はこれで終了です。後日、結果をご連絡いたします。
応募者:ありがとうございました。結果を楽しみにしています。
いかがでしたか。簡素化はしていますが、大まかにはこのような流れで面接は進んでいきます。
博報堂のプロジェクトを称賛しつつ、そのうえで自分の考えを述べることができるか。
体験段の中に、役に立てるスキルがあること、チームで働く姿勢があることを織り交ぜるてアピールできるか。
自身の原体験などに基づいて博報堂でのキャリア設計ができているか
などがポイントになっていたと考えます。